富山へ(中央本線、大糸線)
水戸線に乗った8月13日(火)以降も、猛暑と天候不順で外出せず、15日(木)に富山に帰ることにしました。
青春18きっぷの効力をフルに生かすため、中央本線と大糸線を使って、糸魚川まで出ます。
糸魚川から先富山へは、残念ながらJR線ではないため、正規の運賃を払って乗るつもりです。
ただ、気になるのが台風10号の影響。
予報では夕方から雨風が強まると報じられていますが、こいつの進路次第では途中で運休に遭う可能性がある。
予定では今夜の7時半に家に着くことになっているから、どこまで進められるのか一種の賭けです。
ただし糸魚川まで乗れたら、その先の在来線が運休になったとしても、北陸新幹線をあてにして帰ることができます。
新幹線は滅多なことでは運休になりませんから、そこまで進めたいですね。
昨年9月にも実家から同じルートで帰りましたが、あの時は新宿から「ホリデー快速ビューやまなし号」に乗って途中の小淵沢まで行きました。
今回は平日のために「ビューやまなし号」は走らず、普通列車に乗ることにします。
この9時54分発は松本行きというロングランで、182.3kmをおよそ4時間かけて走ります。
疲労は覚悟しなければなりません。
しかもけしからぬことに、座席は都会の通勤電車と同じロングシート。。。
元々東海道本線で走っていたのを、耐寒構造に改造してあとはそのまま中央本線に持ってきたのですが、観光路線でこのサービスって、いったい「お・も・て・な・し」はどこへ逝ったのでしょう。
JR東日本より経営基盤が弱いJR西日本では、2人がけ/4人がけにできる転換クロスシートに改造している古い車両もあるのに、なぜこの会社は、せめて4人がけボックス席に改造しないのか不思議でなりません。
私のように終点まで乗り通す人はごく少数だとしても、河口湖(大月乗り換え)や勝沼ぶどう郷、石和温泉、甲府まで行く人はざらにいるだろうし、韮崎、小淵沢、上諏訪、塩尻、松本も区間乗車であればそこそこいるはず。
車内には外国人もたくさんいて、彼らから見たらどう思うのか。
JR6社の中で一番儲かっているのですから、その利益をもう少し利用者に還元してほしいと思います。
(念のため付け加えると、ロングシート車の運用は一部で4人がけボックス席を備えた普通列車もあります。)
高尾駅を出発した列車は一気に山の中へと入り込みます。
駅間では民家が点在するぐらいで、深い森に分け入った気分。
東京駅から55kmしか離れていなくて、この幽玄な景色を味わえるのですから、観光客に人気なのも肯けます。
この日は台風からの湿った風の影響で空は真っ白。
霧まで立ち込めています。
スマホの雨雲レーダーを見ると、どうやら大月辺りまでが豪雨の可能性が大きく、なんとか早く切り抜けてほしいところです。
四方津でだいぶ雨足が強まりましたが、列車は定時運転を続け、10時32分、大月駅に到着。
たくさんの観光客が河口湖方面へ向かうのでしょう、ここで降りて行きました。
しかし、台風が接近する日にもこれだけたくさんの人で賑わっていて、大雨・強風対策は大丈夫なのかとも思います。
特急列車との待避で発車は10時46分。
笹子トンネルを抜け、勝沼ぶどう郷まで来ると、天気がだいぶ落ち着いてきました。
甲府盆地を見下ろせビュースポット。
ぶどうはそろそろ収穫の時期を迎えているようですね。
11時40分、甲府駅に着き、ここでも11時57分まで停車します。
その間に昼食用の駅弁を買いにコンコースへと上がり、「元気甲斐」を注文。
お値段が1600円もするのにビックリしましたが、久しぶりに食べたかったので、購入しました。
以前は1200円ぐらいで売ってた気がするのですが、どうも年を経るごとに値段が上がっていますね。
きっと10月からの消費税アップでまた値上げされるのでしょう。
「元気甲斐」は山の幸をふんだんに使ったボリュームのある駅弁。
なのに薄味で食べやすい。
素材の形を崩しておらず、味がストレートに伝わるのも良いです。
この素晴らしい駅弁を、あのロングシートで食すというのですから、恥ずかしさはありました。
繰り返しになりますが、JR東日本よ、普通列車で気兼ねなく駅弁を味わう楽しみまで奪うのですか?
11時57分に甲府駅を出発した列車は、韮崎駅でだいぶ乗客が減り、ガラガラの状態に。
しかし、小淵沢駅で再び乗ってきて、長野県へと入り、信濃境、富士見でたくさんの地元客が乗ってきました。
そして上諏訪駅で降りて行き、ホームには大勢の人でいっぱい。
諏訪湖の花火大会があるのです。
13時50分、終点の松本駅に到着。
これから大糸線に乗ります。
途中の乗り換え時間も含めて、糸魚川までおよそ3時間。。。
なかなかしんどいです。
昨年9月に同じ列車に乗った時は3両編成だったのに、今回はなぜか2両に減車されていました。
去る3月のダイヤ改正で変えたのでしょう。
1両減車された分、当然ながら車内は満員電車状態。
ホントJR東って、利用者より株主(経営)の方に目が行ってるのか。
豊科、穂高と観光客が降りて行き、立ち客もだいぶ減ってきました。
信濃大町駅で15時19分発、南小谷行きの普通列車に乗り換え。
こんどは乗客数も少ないので、2両で妥当です。
木崎湖、中綱湖、青木湖の仁科三湖は、私にとって、もはやお馴染みの光景です。
青々とした稲が伸びていて、これまた夏らしい景色。
飯森という無人駅に停車した時、日差しが出てきました。
薄い日差しにさやさやと風が吹き、ホーム下に小川がちょろちょろと流れていて、のんびりとした雰囲気が漂っています。
ま、台風が目前に控えているので、のんびりしているどころではないのですが。
白馬駅を過ぎ、姫川の深い渓谷に入っていきます。
16時13分、南小谷駅着。
私が列車の写真を吞気に撮っていると、後ろからトントンと背中をたたく人が。
振り返ると、なんと3日前に実家で一緒に夕食を共にした友人とその家族がいるではないか。
実は前日に友人から何時の列車で帰るの?とLINEで連絡を受け、今までの予定を伝えていたのだ。
台風が接近して無事に帰れるか心配で訊いたのかと思ったら、まさかここまで来るとは思いませんでした。
長野市内に在住しており、ここまでどれぐらい時間がかかったのか聞くと、意外にも車で1時間半で来れたとのこと。
そういえば長野市内から白馬へ抜ける道があったのですね。
で、実家でご馳走になったお礼にと、川中島の桃と奥さんの実家でとれたとうもろこしをいただきました。
友人たちと別れ、16時23分発、糸魚川行きの普通列車に乗車。
この区間はちょっとでも雨風(そして雪)が強くなると、すぐに止まるほどの脆弱な所ですが、よく動いたなと思います。
暴れがひどい姫川も、この日は比較的大人しかったです。
17時20分、終点の糸魚川に到着。
それまでひんやりとしていた空気が、日本海側に来てフェーン現象による気温急上昇の影響で、蒸し暑い空気に包まれてました。
この空気に触れるだけで萎えますが、さらにがっかりさせたのは、この先富山方面の在来線が強風のため運休になっていたこと。
まあこうなることは想定済みでしたので、幸い、北陸新幹線は通常運行していたので、ちょうど17時33分発の「はくたか569号」に乗ることにしました。
こうして当初より1時間早い午後6時半に自宅に着くことができました。
とはいえ、10時間も乗車していれば、当然翌日疲れが酷いのは言うまでもなく、そのコンディションで仕事するのは、やはりしんどかったです。(終わり)